令和7年4月30日 研究誌「立飛総研リポート」第10号(Vol.10)刊行

2025.05.09

居住都市へ住民の「誇り意識」の実態調査を実施
都民の半数が「施設・建築物」に誇り、魅力的な公共交通が左右

一般社団法人立飛総合研究所(東京都立川市)はこのほど、研究誌「立飛総研リポート」第10号(Vol.10)を刊行しました。 今号の目玉となる調査テーマは「居住都市への住民の誇り意識」です。近年、「市民としての誇り」を意味するシビックプライドが注目され、国内の自治体でもその醸成を目指す動きが活発化していますが、そのシビックプライドの基盤となる「居住都市への住民の誇り意識」の実態などを探りました。

調査は都民全体の調査(回答者数3,102人)と、立川・八王子・国立・昭島・世田谷・豊島の都内6市区に、LRT(ライトレール)導入によるまちづくりで注目される富山・宇都宮両市を加えた8市区の住民調査(回答者数は各300人)からなり、いずれの調査ともシビックプライド形成に大きな影響を及ぼすといわれる「施設・建築物」(公共交通機関や公園・広場を含む)に対する誇り意識に着目しました。

その結果、「施設・建築物」に誇りを持っている住民は都民全体、8市区の住民ともに約半数を占め、誇りを持つ具体的な施設・建築物では都民全体では「公園・広場」(60.5%)を筆頭に「神社・寺院」「飲食店」「公共交通機関」の順で多く、8市区住民でも「公園・広場」(52.4%)以下2位までは都民全体と同じでしたが、3位には「公共交通機関」(32.7%)が入りました。8市区の中身を見ても、「公共交通機関」が宇都宮では群を抜いてトップ。富山でも「公園・広場」に次いで多く、モノレールがある立川でも「公園・広場」「大型商業施設」に続き3位にランクされ、利便性が高く魅力的な公共交通機関の有無が市民の誇り意識を左右することが分かりました。

また、調査では居住都市への誇り意識の高さが住民のウェルビーイング(心身の健康的な生活の豊かさ)や、継続居住の意向と関連が強いことも明らかになりました。以上のように複数の具体的な都市を対象にした詳細調査は珍しく、ぜひ各種媒体にご紹介頂ければ幸いです。

このほか、今号は「特別増大号」と銘打ち、4回目となる電動キックボード利用動向追跡調査、ボローニャ・フィレンツェのイタリア2都市のトラム建設の現地最新取材を織り込みながら、持続可能な移動環境のための公共交通インフラ整備の必要性を説いた「論説」、日本の「ライドシェア」とは大きく異なるフランスでの「自家用車相乗り」サービスに関する現地報告、当事者による多摩地域大規模開発秘史と、読み応えのある記事を多く揃えました。いずれも日本の都市が進むべき方向を考える際の手がかりとして参考にして頂ければと思います。

なお、調査結果を含め「立飛総研リポート」の全文はWebサイト(下記参照)でもご覧になられます。

■本件に関するお問い合わせ先
一般社団法人 立飛総合研究所(東京都立川市泉町935番地27 214号棟)
担当:理事 事務局長兼統括研究主幹 市川 嘉一
TEL:042-538-7200 (不在時は携帯TEL:090-2540-1850)
E-mail: kaichi.ichikawa@tachihi.com
URL: https://tachihi-souken.com

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