「コロナ時代の仕事と生活」調査結果(速報)に関するお知らせ

2020.07.09

東京都立川市に本拠を置く不動産開発・賃貸業の株式会社立飛ホールディングス(本社:東京都立川市、代表取締役社長:村山 正道)が中心になり設立した一般社団法人 立飛総合研究所(立川市)はこのほど、東京都内に住む住民約1000人を対象に「コロナ時代の仕事と生活」をテーマにインターネット調査を実施しました。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月末以降、政府や東京都の要請により、都民の生活や経済活動は大きな制約を受けてきました。4月に発令された緊急事態宣言や都の休業要請は解除されましたが、withコロナの新しい仕事や生活スタイルが求められています。そうした今後の動向を探るために、調査(調査時点2020年6月1~3日)では3~5月のテレワーク・在宅勤務の経験者に焦点を合わせ、満足度や仕事・生活への影響、コロナ収束後のテレワーク・在宅勤務の希望、転職や起業・独立の意向、職住近接やワークスタイルの動向への見方などを尋ねました。

調査の結果、回答者の51.3%は3~5月にテレワーク・在宅勤務を経験していましたが、テレワーク・在宅勤務に「満足」と答えた人がその6割強を占め、「不満」は1割にとどまりました。また、回答者全体の3分の2は、「テレワークが近いうちに進み、職住近接の必要性は小さくなる」と見ており、3~5月にテレワーク・在宅勤務を経験した人の8割近くは、コロナ収束後のテレワーク・在宅勤務について前向きの意向を持っていることが明らかになりました。企業側の対応によっては、今後、テレワーク・在宅勤務が日常化する可能性がありそうです。一方、コロナの流行をきっかけに、転居や転職・独立意向などを考え始めた人が出ていることも分かりました。

「コロナ時代の仕事と生活」調査では、仕事観や勤務時間の近年の変化、今後の消費や生活の力点なども尋ねています。詳細な分析を進め、「立飛総研リポート」の次号で発表する予定です。

調査概要と主な調査結果(速報)は別紙の通りです。

<調査の概要>
▼企画・実施者 一般社団法人 立飛総合研究所
▼実施時期 2020年6月1日~3日
▼調査方法 インターネット調査
▼回答者数 東京区部と多摩地域に住む有職者1030人(20~59歳)
▼実査委託機関 株式会社 マクロミル

<主な調査結果>
1.3~5月にテレワーク・在宅勤務を経験した人は5割強
20年3~5月にテレワーク・在宅勤務を経験した人は528人で、回答者全体(1030人)に占める割合は51.3%でした。男性は301人、女性は227人で、それぞれの回答者全体(男性575人、女性455人)に占める割合は男性が52.3%、女性が49.9%です。
居住地域別のテレワーク・在宅勤務の経験割合は、区部居住者(744人)では54.4%、多摩地域居住者(286人)では43.0%でした。多摩地域居住者の勤め先は区部が36.4%、多摩地域が54.2%で(ほかは近県)、多摩地域にある勤め先は区部に比べ、従業員規模が小さい傾向があり、そのことが多摩地域居住者のテレワーク・在宅勤務の経験割合が低い一因になっています。
月別のテレワーク・在宅勤務をした人の割合は、3月が26.1%、4月が45.8%、5月が48.3%でした。また、少なくとも、週の半分以上がテレワーク・在宅勤務の人の全体での割合をみると、3月が19.4%、4月が37.8%、5月が40.7%とやはり月を追うごとに高まっています。緊急事態宣言下の4~5月にはかなり多くの勤め先が本格的に実施したことを反映しています。

2.テレワーク・在宅勤務に「満足」、3~5月の経験者の6割を超す
3~5月にテレワーク・在宅勤務を経験した人のなかで、テレワーク・在宅勤務に「満足」だった人(「とても満足」「まあ満足」と答えた人)の割合は62.7%、「不満」だった人(「とても不満」「ある程度不満」と答えた人)の割合は10.8%、「どちらでもない」は26.5%でした(図表1)。
   区部居住者(405人)では「満足」62.7%、「不満」10.9%、「どちらでもない」26.4%。多摩地域居住者(123人)では「満足」62.6%、「不満」10.6%、「どちらでもない」26.8%。

3.「職住近接の必要性が低下」、テレワーク・在宅勤務経験者の7割強が予想
調査対象者全員に「テレワークが近いうちに進み、職住近接の必要性は小さくなる」との見方について意見を尋ねたところ、「そう思う」と答えた人は65.4%と3分の2を占めています。3~5月にテレワーク・在宅勤務を経験した人(528人)に限ってみると、この割合は73.3%と7割を超えています。テレワーク・在宅勤務を経験することで、職住近接の必要性を感じなくなった人が多くなったと見ることができます。
居住地域を問わず多くの人がこうした予想をしています。3~5月にテレワーク・在宅勤務を経験した区部居住者では74.1%が、また、同様の経験をした多摩地域居住者では70.7%が「そう思う」と答えています。
一方、「地方の職住近接できる地域に人口を分散させることが望ましい」との見方についても「そう思う」と答えた人は全体の74.3%と4分の3を占めていました。この回答割合は、区部居住者では78.8%、多摩地域は79.7%です。テレワークが進展するとみる一方で、職住近接が容易な地方都市への人口分散が望ましいと思う人も多いわけです。

4.感染収束後のテレワーク・在宅勤務の存続・取り入れ意向、3~5月の経験者の8割近い
新型コロナウイルス感染収束後のテレワーク・在宅勤務については、「勤め先が認めてくれれば、できるだけ続けたい」が44.9%、「勤め先が認めてくれれば、ある程度取り入れたい」が33.0%で、両者をあわせたテレワーク・在宅勤務に前向きな人は77.9%と8割近くを占めています(図表2)。「勤め先から指示されない限り、テレワークや在宅勤務ではなく通勤して職場で仕事をしたい」は13.4%、「わからない」は8.7%でした。
区部居住者(405人)では「勤め先が認めてくれれば、できるだけ続けたい」が46.2%、「勤め先が認めてくれれば、ある程度取り入れたい」が30.9%で、多摩地域居住者(123人)はそれぞれ40.7%、39.8%でした。両者をあわせた前向きな人は区部居住者では77.1%なのに対し、多摩地域居住者では80.5%と多摩地域のほうが上回っています。
満足度別では、満足度が高いほど「できるだけ続けたい」との回答割合が高く、この割合は「不満」な層では5.3%、「満足でも不満でもない」層では25.0%しかないのに対し、「まあ満足」の層では47.5%と5割に近く、「とても満足」の層では84.2%と8割を超えています。全体では「とても満足」「まあ満足」が8割近いことから「できるだけ続けたい」の回答割合も高くなっています。

5.コロナの流行で転居や転職、起業・独立を考え始める動きも表面化
コロナが流行するようになってから転居を考えるようになった人は全体で4.4%、また将来、コロナ問題のために転居を検討したいと答えた人も3.8%おり、コロナが転居を促進させる要因の一つになりそうです。密閉、密集、密接の三密を避けることができる地域に住み、コロナ感染リスクを低くしたいとの狙いもあると思われます。
居住地域別では、区部居住者で転居を考えるようになった人は5.2%、また、将来、コロナ問題のために転居を検討したいと答えた人も4.3%で、いずれも多摩地域での割合(それぞれ2.1%、2.4%)を上回っています。
また、コロナの企業活動への影響が出始めてから転職や起業・独立を考えるようになった人が全体の4.1%、将来、コロナの企業活動への影響から転職や起業・独立を考えたい人も4.2%います。転職や起業・独立についても、区部居住者のなかで、流行が始まってから考えるようになった人は4.6%、また、将来、コロナ問題のために検討したいと答えた人は4.8%で、多摩地域での割合(それぞれ2.8%、2.4%)を上回っています。

(了)

(注)立飛総合研究所はまちづくりに関するシンクタンク的な機能を持つ組織です。2018年8月に実質的な稼働を開始。調査研究の独立性・中立性を担保した一般社団法人として、立川地区や多摩地域など広く地域の課題解決に役立つ調査研究を目指しています。雑誌「立飛総研リポート」はその対外的な成果物であり、2019年2月に創刊。これまでに3号刊行しています。

■本件に関するお問い合わせ先
 一般社団法人 立飛総合研究所(東京都立川市泉町935番地27 214号棟)
 担当:理事 事務局長兼統括研究主幹 市川 嘉一
 TEL:042-538-7200(不在時はTEL:090-2540-1850)
 FAX:042-536-7200
 E-mail:kaichi.ichikawa@tachihi.com

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